今日覚えた

知ったこと、覚えたこと。

クソ面白くない本が説明したかったデザインの話を誰でもわかるように図解付きで解説した。

その本がどういう本かの前に僕の仕事について説明したいのですけど、僕の仕事は「エディトリアルデザイナー」という雑誌を作る仕事をしています。

で、そんな僕に渡された本がこちら

レイアウトの法則―アートとアフォーダンス

レイアウトの法則―アートとアフォーダンス

 

 どんな本かというと「生態心理学者がレイアウトについて発見したことを語るよ」という旨の本で、職業柄、年がら年中文字や写真のレイアウトをしている僕からすれば一見メチャクチャ勉強になる本のような気がしました。最初は。

 

冒頭から100ページほどかけてアフォーダンスの話をしてくるのですが、端的に言えば「コップの取手は説明されなくても〝持つ〟という行為を引き出すことができる」みたいな2秒で説明できる内容を生態光学生態心理学の内容を絡めてほぼほぼ哲学書みたいな言い回しでクソ難解に説明してきます。こちとらチンパン並の脳みそしてるんだからわかりやすく説明してくれ。頼む。

 

このアフォーダンスの説明を踏まえた上で本のデザイン、レイアウトについてわずか数ページ語った後に、相撲の話にぶっ飛びます。勘弁してくれ。

 

 

デザインに関係あるところだけ内容を抜粋した。

○デザインにおいてデザイナーの手の跡を残すべきではない

上記のコップの取手の話のように「説明しなくても無意識に視線、ページを進めることのできるレイアウトが理想だよね」という話

 

○そのためには効率的に余白を使おう

余白で視線の誘導をする時、風が通るようなものが理想という話。僕は感覚的に風よりも「上から水を流す感覚」でやっているのでそれを使って説明します。

 

こういう誌面があるとします。グレーのところは写真だと思ってください。

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この誌面で真っ先に視線が行くのはここです。

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 理由は単純に色(写真の場合)の面積がデカいからです。

 

次に順当な流れとして縦書きで構成される誌面の場合、視線は誌面右上にきます。

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ここから水の流れ(風通し)の動きがスタートするとこうなります。

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水色のルートでも緑のルートでも自然と目線が3.4.5の順番に流れていくと思います。これが余白のデザインです。

 

一見メチャクチャためになる事を言っているように感じませんか?

でもこれはデザインやってたら常識なんですよ。「スプーンは丸いところですくって食う」ぐらいの常識を改めて読むハメになったけど、普段デザインに関わらない人が読むには面白い話なんじゃないかな?と思いました。以上です。